情報労連「ITエンジニア労働実態調査」を見てみよう! その1 年齢別賃金モデル  

情報サービス

そもそも情報労連って?

情報労連とは、正式には「情報産業労働組合連合会」といいます。

執行委員長は野田三七生氏です

(昭和37年生まれなのでしょう・・・か?)

情報労連は、「日本の産業別労働組合である。日本労働組合総連合会(連合)、ユニ・グローバル・ユニオン(UNI)に加盟している」「基本的に情報通信関連の労働組合を中心に組織されているが、情報サービス・通信建設・印刷・運輸・製造・建築・ビルメンテナンスなどの労働組合も加盟している」とウィキペディアに書いてありますが、ほぼそのとおりです。情報労連のHPはこちら⇒ https://www.joho.or.jp/  

産業の健全な発展に向けた政策の確立につなげる

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こんにちは。私は情報労連オリジナルキャラクターの結(ゆい)です。 ここからは私が解説をしますね。 情報サービス産業における賃金をはじめとする労働条件や業界特有の諸課題を把握し、産業の健全な発展に向けた情報サービス政策の確立につなげていくことを目的に、1993年から毎年実施しています。  調査対象は、情報サービス業に属する企業です。 調査内容は、賃金、一時金、労働時間、経営課題を継続的に設問設定し、その時々において特別にテーマを選定した調査も実施しています。ちなみに2018年の調査では「客先常駐の働き方」がテーマでした。

調査に協力してくれた企業は300超え

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2018年の調査は311社でした。1993年のスタート時は100社に満たない数でしたが、2010年からは300社をキープしています。  

それでは調査の概要を見ていきましょう。

大卒35歳モデル31.9万円

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調査結果によれば大卒のモデル所定内賃金は、22歳21万906円、35歳31万8,863円、45歳40万2,277円、55歳42万2,425円などとなり、ピークの50歳では43万1,779円となりました(図表1)。

 22歳の水準を100とした場合の指数をみると35歳151、45歳191、55歳200、ピークの50歳では205となりました。前年調査ではピークが55歳で43万6,075円=22歳水準との指数211と比較すると、6ポイントとの減少となりました。

規模別計を100とした場合、それぞれの水準を見ると22~45歳までは、規模が大きくなるほど金額も高くなる傾向がありますが、50~60歳は100人未満と1,000人以上でほとんど差は見られなくなります(図表2)。

下請型 45歳から賃金が伸び悩み

次に情報サービス企業の多重下請構造に着目し、以下の企業タイプ別に見てみましょう。

図表3にあるように、全体的に「元請型」が高い傾向にあり、特に50歳では、他の企業タイプと比較し、その傾向が顕著に表れます。

一方 「下請型」 は全体的に低い傾向にあり、特に45歳以降に伸び悩みが見られます。
また「下請型」以外のタイプでは50歳をピークに賃金が下がっていきます。

本調査でも多重下請構造の低位ほど賃金低下の傾向に

情報サービス産業における多重下請構造では、「元請型」の企業は構造の上位に、「中間型」の企業は文字どおり構造の中間に、「下請型」の企業は構造の下位に存在しています。

2015年に経済産業省が「IT人材を巡る状況」で公表した情報サービス産業における多重下請構造と賃金の相関(下図:構造の低位ほど賃金が低下する)が、本調査結果にも傾向として見られます。

今回はここまでにしましょう。この続きはまた次回に。see you!